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中学校以来、映画が好きで、暇さえあれば(そして小遣いがあれば)映画を観てきた。暇を持て余していた学生時代は、一年間に二百本以上観ていたようだ(恥ずかしいことに、「映画鑑賞ノート」のようなものが残っているのです)。
 その後、社会人になって、あまり時間を自由に使えなくなり、映画館に入り浸る、なんてことはできなくなったけれど(それに、札幌では映画館が激減してしまったせいもあり)、それでも時として、禁断症状のようなものが出て、とにかく映画館の暗がりの中で、スクリーンを見上げなくてはならぬ! という強い決意を持って街に出ることは再々である。毎週金曜日の各紙夕刊の映画評は、必ず読むのである。

 そんな風に映画が好きなのだが、自分の作品が映画化されることは、まずないだろうな、と思っていた。以前にも一度映画化されたことがあり、私はこの映画の仕上がりが好きだが、あまり話題にはならなかったようである。「ま、それも当然だろうな」と思っていた。自分の作品は、それほど多くの人に読んでもらえるようなものだとは考えていなかったので。あまり多くない読者たちに「ま、ちょっと面白いかな?」くらいの感じで、読んでもらえて、まぁ、出版業界の片隅で、細々と生きていけたら御の字、という感じである。

 それが一昨年、東映が私の作品を映画化してくれる、という思いがけないことがあり、さぁ、大変だ、こっちは冒頭で述べたように映画が好きなので、もう、札幌ロケの現場の端っこに佇んで、ロケの様子を見るだけで、もうそれ以上の幸せはない、という状況だったのに、その後、当然とは言いながらそのロケで撮影した場面などが繋ぎ合わされてひとつの映画作品になって、今度はそれを映画館で観る、「幸せ」×2の経験が棚から落ちてきて、まぁ最高でした。

 そして、それがスタッフの力でヒットして、賞を頂いたりしたので、「幸せ」×4でフワフワしていたら、非常に滑らかに「2」を作る、ということが決定したってんで、こっちはもう「手の舞い足の踏むところを知らず」という状況になっているわけです。
 原作は、やや地味な作品なんですが、映画は前作と同様、スピーディでテンポ良く、そして愉快な場面の積み重ね、という感じで、シナリオを読んでいると、すっと世界に引き込まれて、これをスクリーンで観たら、楽しいだろうなぁ、としみじみ感じています。
 原作者としては、原作との異同部分が楽しみであるわけです。そこが面白ければ、なおさら期待が盛り上がる。
 この「2」は前作と同じ、札幌のススキノが舞台ですが、札幌にほど近い地方都市が第二の舞台として登場します。この街の、寂しい雰囲気がどう映像としてとらえられるか、そして悲劇的な事件とどう絡み合うのか、私は非常に楽しみで、期待しています。